昨日紹介した『ブスのマーケティング戦略』のように、マーケティング理論によって自身をブランディングすることはたしかに良いことだが、それが全てになってしまうのは良くない。
特に私のような20代後半から30代前半のちょうど「ゆとり世代」と呼ばれる世代に限っては注意が必要だ。
『映画を早送りで観る人たち』では、最近の若者たちが手っ取り早く得られる個性を求める様子が書かれている。
今やSNSやYouTubeを観れば自分よりも何かに秀でている人はすぐに見つけることができる。
そんなライバルが常に隣にいるような環境で、日々コツコツと努力を続けることにやる気や意味を見出すことは容易ではない。
「ゆとり世代」以前、つまり、そうした教育が実施される2002年まで、膨大な事項を暗記することで知識をつけていく、いわゆる「つめこみ型」の学習方法が主流であった。
しかし、まるで兵隊を量産するような「つめこみ型」の教育は、いつの時代も批判され、その度に子供の好奇心や創造性を大事にする「好奇心駆動型」の教育が提唱されてきた。
「好奇心駆動型」の教育とはつまり、大人から与えられた学問的知識を暗記する必要性からおおむね自由になった教育のことだが、こうした教育はゆとり教育と同様にいずれ下火となり、知識偏重の「つめこみ型」の教育に逆戻りする流れが繰り返されてきたのである。
ではなぜ「好奇心駆動型」の教育は機能しないのだろうか?
『子供は40000 回質問する』では、その理由として、好奇心は知識を吸収することで押し殺されるのではなく、それによって成り立つと指摘している。つまり知識があるから好奇心や想像性が生まれるのであって、空白からは何も生まれないということだ。
これは知識はある程度詰め込んでおく必要があるということである。この点を多くの人は理解ができていない。
そして知識はある程度新鮮であるものに限る。これこそが私が発売して3ヶ月以内の本を手に取ることをオススメする理由である。
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