今週のニュースはこれを読め!AI選書サービス「ヨンデミー」

本日気になったニュースは、「1カ月で8割が読書好きに、AI選書サービス創業者が語る「読書離れ」解決の道」だ。

読書の中で一番難易度が高いのが選書である。面白い本を嗅ぎ分ける力は、何百、何千冊という本を手に取り、面白い本もそうでない本も数多く当たってきた人間にのみ宿るものだ。それがAIが選書すると聞いて、最初は半信半疑だった。AI選書サービス「ヨンデミー」とは果たしてどんなサービスなのか?

ヨンデミーとは、子どもが読書好きになるオンライン習い事「ヨンデミーオンライン」が提供する、AI司書による一人ひとりに最適な本のおすすめや、本の楽しみ方から学べるクイズ式レッスンを通じて、お子さんの成長を支えるサービスである。

AI先生 キャラクターとしての「ヨンデミー先生」とチャット形式で対話するなかで「本の楽しみ方」「感想の書き方」などが学べる。さらに、達成した読書記録に応じてバッジがもらえる機能や、感想提出のたびに経験値がもらえてレベルアップしていく機能により、ゲーム感覚で読書をすることができる。

肝心の選書の仕組みについてはこだわりぬいている様子だ。

現役東大生が多く参加するヨンデミーメンバーでは、200以上の項目から1冊ずつ丁寧に本を分析している。1,000冊を超える蔵書の分析を全て手作業で行っているというのだから大したものだ。さらに、分析したデータとお子さんの感想を組み合わせることで、お子さんの好みを的確に見抜くことができる。

また、さらに画期的な点は、いわゆる「本の難易度」について、複数の要素を基に「YL(ヨンデミーレベル)」というスコアを自動で算出していることだ。海外ではLexile指数という読解力の指標が普及しており、この指数が書籍を選ぶ際の道しるべとしても使われているが、日本にはそのような指標がない。結果的に「3年生におすすめ」のような学年などがその指標として使われているが、同じ学年によっても読書好きな子と苦手な子では状況が全く異なるだろう。そうした指標を1つの会社が作っているというのは驚きである。

「ヨンデミーオンライン」を手がけるYondemyは、代表取締役の笹沼颯太氏を含め現役東大生3人が立ち上げたスタートアップである。ヨンデミーオンラインの開発は、創業メンバーが筑波大学附属駒場中学・高校時代からの同級生で、家庭教師のアルバイトをしていた際の体験がきっかけであった。世の中には、本を読むための方法自体を教えてくれる仕組みがないことに気づき、そこに課題を感じたメンバーらが立ち上げたサービスである。

子どもの活字離れが指摘される昨今、2015〜2020年の5年間で小学生の1日あたりインターネット使用時間(ゲーム・動画視聴を含む)は約1時間増加しており、7割以上の小学生が週に1冊も本を読まないなど、読書離れが進んでいる。しかし、国内における読書指導・体験は家庭に依存する傾向にある。また「読書習慣」はライフスタイルに関わっている問題であるため、悩みが生活全体に影響を与えていることも少なくはない。

本というのは隙間時間で読むのが一番だ。初めから1〜2時間の読書時間を確保してから読もうとするとなぜだか集中できない。しかし、現代人の隙間時間はスマートフォンを眺める時間で埋め尽くされてしまっている。我が身で考えるとその習慣を変えることは容易ではない。

デジタル・デトックスの哲学を提唱した『デジタル・ミニマリスト』(私の書評はこちら)では、スマホから離れる方法として、利用時間を限定することを提案している。例えば夜の2時間だけにするとかそんな具合だ。スマートフォンを利用する時間を限定し、隙間時間は本を読むことにしてみてはいかがだろうか。

読書が隙間時間に入り込むとどんなことが起きるか。読書が生活の一部になると、そこから知的好奇心をめぐる正のスパイラルが回り始める。そこからは全てが学びとなるのだ。

参考文献①:読書教育のYondemyが完全無料の保護者向け新サービス「教えて!ヨンデミー」を正式リリース!
参考文献②:現役東大生が1000冊の児童書を読み漁って作った「子どもを読書好きにする」習い事サービス

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koya
読書歴10年。書評歴3年。本は読んでいるだけではダメです。 知識はアウトプットしてこそはじめて血肉となります。 私は読書歴10年ほどで、現在は毎月平均して10冊程度の本を読んでいます。 私がこの10年間で培ってきた読書のノウハウや考えは、きっと皆さんの役に立つと思っています。 目標は「他人が読まない本を手に取る読書家を増やすこと」です。
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