【コラム】『「読む」だけで終わりにしない読書術』を読んで、読書について考えてみた。

本は読むだけでも十分意味がありますが、やはり読んでいるだけでもダメです。
インプット過多となった人間は、ろくなアウトプットをすることができません。
まったくアウトプットしない人間の多くは、おそらくこう口にしていることでしょう。

私は月100冊読んでいます。

これまで1000冊の本を読んできた。

アウトプットしない人間は、自分がいかに本を読んでいるかを口にします。
一方、きちんとアウトプットしている人間は、本の具体的な内容を挙げて何が面白かったのかを口にします。

今回は、総再生数1億回以上の「本の要約チャンネル」というYouTubeチャンネルを運営し、これまで1万冊以上もの本を読んできた著者により書かれた『「読む」だけで終わりにしない読書術』を題材に、さまざまな読書方法について、解説していきたいと思います!

読解力のない日本人

本題に入る前に、まずは日本の学力低下問題について見ていき、我々日本人に何が足りないのかを考えましょう。

日本において、いわゆる「ゆとり教育」の弊害として数年前に社会問題となったのが「学力低下問題」です。
そして、その根拠としてよく挙げられたのがPISAという調査でした。

PISAとは、OECDが実施する「生徒の学習到達度調査」(Programme for International Student Assessment)のことで、義務教育の終了段階にある15歳の生徒を対象に、読解力数学的リテラシー科学的リテラシーを調査し、2000年以降3年毎に実施されています。

PISAは、学校で習得する基本的な知識に加えて、思考力や応用力が問われる自由記述問題が多く出題されるのが特徴です。

そして、このPISAで特筆すべきなのが「読解力」についての調査結果でした。
2018年のPISAでは、前回8位だった日本の子供たちの読解力は15位にまで落ちたのです。

この結果を受けて、文科省の国立教育政策研究所は、日本の子どもたちの多くが「オープンエンドの問いに慣れていない」ことを課題視しました。
つまり、日本の子どもたちは自分の考えを他者に伝える能力が低いということです。

日本人はインプットする量も少ない

本を読むだけで終わりにしてはいけない理由もこの点にあります。
本は読むだけではなくて、いかに読んだ内容をアウトプットするかが重要なのです。

しかし、アウトプットするにしても、まずはインプットしていることが大前提になりますが、日本人はこのインプットの量も不足しています。

平成30年に文化庁が実施した調査によれば、「本をまったく読まない」が 47.3%、「月1、2 冊の本を読む」が 37.6%で、合計「84.9%」の人がほとんど本を読まないという結果が出ています。

本を読む人がこれほど少ないなら、読んだ本のアウトプットをしている人は更に少ないことでしょう。

読解力」や「自分の考えを他者に伝える能力」を向上させたいのなら、地道にアウトプットの量を増やすしかありません。
そして、それにはまずたくさんの本を読むこと、つまりインプットの量を増やすことが必要なのです。

読書をすること」「アウトプットの練習を積むこと」。
これら両方を意識して実践することが、我々日本人に求められていることです。

集中力を保つ方法

さて、先ほどたくさんのインプットが必要というお話をしましたが、多くの人は、本を読む集中力が足りていないと感じています。

『「読む」だけで終わりにしない読書術』では、1万冊以上の本を読む中で、この集中力を保つ方法として、「5分間ランニング」することを提案しています。

運動をすることによりドーパミンが分泌され、集中力が高まります。

ドーパミンは、 神経伝達物質の一つで、やる気や幸福感を得られるだけでなく、運動や学習、感情、意欲、ホルモンの調節など、多くの生命活動に関与しています。 
そして、このドーパミンは集中力を保つ働きがあると言われています。

たとえば、カフェなど、にぎやかな場所で仕事をしたり本を読んでいる時、最初は耳障りだった周囲の物音が、作業や読書に集中すればするほど気にならなくなったという体験は誰にでもあるでしょう。

このように集中することで周囲が気にならなくなるのは、ドーパミンの分泌により、必要のない雑音を遮断してくれるからなのです。

そして、運動をするとドーパミンが分泌されるのも、ドーパミンが分泌されて集中力が高まるのも、人類が狩りをして暮らしていた頃の名残と言われています。
太古の昔、人類が捕食者に捕らわれずに生き残る上で必要だったのが「運動」「集中力」「記憶力」でした。
ドーパミンはこの3つに深く関係する物質なのです。

つまり、読書をしていて集中力が切れたら、適度な運動を挟むことで集中力を持続させることができます。

読書と運動の関係

ただ、「そんなことをしていたら逆に疲れちゃうんじゃない?」と思った方もいらっしゃるでしょう。

パタゴニアの創始者であるイヴォンによる『社員をサーフィンに行かせよう』では、パタゴニアの社員は就業時間中いつでもサーフィンに出かけることができると書かれています。
サーフィンだけではなく、登山、フィッシング、自転車、ランニングなど、他のどんなスポーツをしても構いません。
イヴォンはこうする理由として「効率性」を挙げています。

自分が好きなことを思いっきりやれば、仕事もはかどる。午後にいい波が来るとわかれば、サーフィンに出かけることを考える。すると、その前の数時間の仕事はとても効率的になる。机に座っていても、実は仕事をしていないビジネスマンは多い。彼らは、どこにも出かけない代わりに、仕事もあまりしない。仕事をしている振りをしているだけだ。そこに生産性はない。

パタゴニアの例は、今回の論点とは少々視点が異なっているかもしれませんが、読書と運動には密接な関係があるのは確かです。

「本を読む集中力がない」と言う人は、簡単な運動から始めてみることをお勧めします。

多くの人は受動的な読書をしている

本を読むという行為は、テレビやYouTubeを見るよりも能動的な行為と思われています。

しかし、多くの人は「仕事のためだから」「友達に勧められたから」「ベストセラーだから」など、知らず知らずのうちに受動的な読書をしてしまっているのです。

能動的な読書をするには、ちょっとしたコツが必要です。
ここでは能動的な読書をするための方法を2つ紹介しましょう!

能動的な読書方法①

一つ目は、本を読みながらメモを取るか、読み終わったらすぐに感想を書き起こすことです。

手書きでメモをとると、脳内のRAS網様体賦活系、Reticular Activating System)という回路が活性化すると言われています。

RASは、脳幹から大脳全体に向かう神経の束で、必要な情報だけを脳にインプットする、フィルターの役割を果たしています。

人間は、日々五感を通して様々な情報に触れていますが、見たものや聞いたものをすべてインプットすると、脳はその処理に追われてしまうことになります。
そこで、このRASがインプットするべき情報とそうでない情報を選別し、いらない情報を遮断したり、必要な情報を探し出したりしているのです。

『「読む」だけで終わりにしない読書術』では、メモを取ることにより、脳が「今、インプットしているのは重要な情報である」と判断するのではないかと推測してます。
つまり、メモを取る前提で読み始めれば自然と能動的な読書になるのです。

能動的な読書方法②

もう一つは「パーキンソンの法則」をうまく利用するというものです。

これは、イギリスの歴史学者・政治学者のシリル・ノースコート・パーキンソンが『パーキンソンの法則:進歩の追求』という本の中で提唱している法則で、「時間でもお金でも、人はあらゆる資源を、あればあるだけ使ってしまう」というものです。

おそらくみなさんも仕事や学校の宿題、レポートなどに関して同様の経験があるでしょう。

人は「いつまでに〜やらなければならない」という締切が決まっていたほうが、やるべきことに集中できるのです。

これはつまり、「何日までに読み終わる」という締め切りを設ければいいという話でしょうか?
それは少し違います。

要は、本はスキマ時間に読めということです。
例えば、電車に乗っている時やお風呂に浸かっているときが最適でしょう。
電車であればいつかは降りなければいけませんし、お風呂からもいつかは出ないといけません。
つまり、どちらも締め切りが決まっているということになるのです。

こうした日常のスキマ時間をうまく活用することで、集中力がないと思っているあなたも、より能動的で集中力を保って本を読むことができるようになります。

終わりに

さて、これまでどうすれば多くの本を読めるかを解説してきました。
『「読む」だけで終わりにしない読書術』では、様々な読書術に加えて、一万冊以上の本を読んできた著者による知識のアウトプット術が書かれています。
毎日本の要約動画を上げ続けてきた著者のアウトプット術を知りたいという方は、ぜひ本書を手に取り確認してみてください。
また、「本の要約チャンネル」は、累計一億回以上も再生された大人気のYouTubeチャンネルですので、こちらも併せてチェックすることをオススメいたします。

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