【書評】『コンビニオーナーぎりぎり日記』

シリーズ累計はなんと56万部!?本屋で一度は見たことがあるであろう、表紙のイラストが印象的なこちらの日記シリーズ。本書の他にもバスドライバー、保育士、銀行員、大学教授など様々な業界に生きる人々の実像を描いた大人気シリーズである。

休日が取れなくなって、今日で1057日目。もう3年近く、1日も休んでないことになる。

という出だしから始まる本書は、何やらいきなり雲行きがあやしい・・・。
本日紹介する本は、そんな大手コンビニのフランチャイズ店を経営する夫婦二人がする仕事、コンビニオーナーについて書かれている。

コンビニといえば、コロナ禍において問題視された24時間営業に代表されるように、とにかくやることが多くて忙しないイメージがあるが、本書を読んだらその通りなんだと納得した。

驚くべきはその業務の多さである。とにかく覚えなければならないことが山ほどあるのだ。
例えば、宅急便と一口にいっても、お客が持ってきた荷物の大きさ、重さ、届け先の場所、急ぎか時間指定があるかから、何で送るのが一番お得か、あるいは速いか、その場で判断しなければならない。さらにややこしいのが、支払い方法。現金、クレジットカード、ポイント支払いだけではなく、「⚪︎⚪︎ペイ」の中だけでも、ファミペイ、ペイペイ、楽天ペイ、メルペイ、クイックペイと、その多さには若者ですら覚えるのに手こずるほどだ。その支払い方法によって、レジ端末の操作方法も違うというから、頭が上がらない・・。

さらにその大変さに拍車をかけているのが、本部による方針である。「24時間開いているという信頼があるからこそお客様は来店する」や「来店したお客は、商品が何一つ欠けることなく並んでいる棚から、欲しい商品を選んで買う」などという方針があって現場はあたふた。多少なりともこの業態の特殊な事情を理解していないと「?」といったところだろう。

本書には、他にもバイトや従業員のこと、クレーマーや変わったお客様との出来事、コンビニ経営のイロハが書かれている。
普段何気なく利用しているコンビニ。本書を読めば、きっといつものあの店が尊く愛おしく見えるはず。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
koya
読書歴10年。書評歴3年。本は読んでいるだけではダメです。 知識はアウトプットしてこそはじめて血肉となります。 私は読書歴10年ほどで、現在は毎月平均して10冊程度の本を読んでいます。 私がこの10年間で培ってきた読書のノウハウや考えは、きっと皆さんの役に立つと思っています。 目標は「他人が読まない本を手に取る読書家を増やすこと」です。
PAGE TOP